日本看護コーチ協会について

日本看護コーチ協会は、看護とコーチングのプロフェッショナルである看護コーチの育成を通して、人々の望む生き方を支援します。

日本看護コーチ協会設立のあらまし

「全ての看護師がコーチだったら、自分らしく幸せに生きる患者と看護師が増えるね!」

日本看護コーチ協会は、二人の看護コーチの対話をきっかけに誕生しました。

当協会の代表と副代表は、2013年にコーチングのワークショップで知り合いました。

当時は医療・看護に特化したコーチング学習プログラムはなく、2人ともビジネスコーチングの課程を受講し、コーチとして活動していました。

お互いにそれぞれの看護の現場でコーチングを実践しており、日々の患者との関わりや、管理職としてチームメンバーとの関わりに役立つことを実感していました。

そして、コーチングの効果や人と関わる時にコーチとして(コーチングマインドを持って)関わることの大切さを実感した二人が、

「コーチングが、看護の現場に普及していかないのは何故だろう?」

「もっと看護師にコーチングを知ってほしい!」

「看護の現場で活躍するコーチがいることを当たり前の世界にしたい!」

という想いを強くしました。

そんな2人の想いを起点に、看護コーチングへの情熱が広がり、賛同者と共に2014年に日本看護コーチ協会を設立しました。

日本看護コーチ協会のミッション

日本看護コーチ協会は、全ての看護師がコーチである社会の創造を目指しています。

新型コロナ感染症、災害など、予測不能な出来事が多い昨今、世の中は常に変化しており、それにともなって看護の現場で求められるリーダー像も変化しています。

そのような看護の現場では、圧倒的な権威をもつ指示命令型の看護管理者・看護リーダーは、人間関係の悪化や離職率の高い職場を作り出し、過去のリーダーとなりつつあります。

コーチとは、その人が目指すゴールや望む未来に向う行動をサポートする人であり、そのために対話でその人が持っている力を最大にする人です。我々は、そのコーチが看護の現場で求められるリーダー像に最も近いと確信しています。

看護師がコーチであれば、明確な答えや前例がなくても主体的に課題に対応し、医師・療法士・介護士などの医療チームや地域の専門家と包括的に連携して協働できると考えています。

日本看護コーチ協会のミッションは、全ての看護師が看護とコーチングのプロフェッショナルとして、看護師が関わる人々の全てがその人らしく生ききることを実現することです。

看護コーチとは

看護の現場でコーチングを実践するコミュニケーションリーダーです。

看護コーチは、以下の3つ(プラスα)を支援します。

患者の支援

看護師がかかわる看護の対象の多くは、疾病と主に生きている人です。

疾病や障がいにより、本当はやりたいこと、願っていることは出来ないと諦めてしまうケースもあります。

看護コーチはコミュニケーションを通じて、患者自身が望んでいる人生の目標を明確にして、自分が持っている力や得られる支援について気づき、本当に望んでいる生き方を実現できるように患者を支援します。

看護師の支援

夢と希望を持って看護師になりましたが、人の命に関わる緊張感や重圧、職場の人間関係、心と身体の疲労から、退職する看護師も少なくありません。

現場の看護師の支援としては、二つの方法があります。

一つ目は、コーチ型コミュニケーションの実践です。

自分自身の課題に直面して、心が折れそうになっている看護師に、コーチ型コミュニケーションでかかわることで、その人が目指している看護師としての在り方を見つめて、隠された真の想いや強みを引き出して、看護の仕事を通して自己実現する支援をします。

また、看護の仕事にやりがいを感じ、さらに成長したいという看護師に対して、コーチングを行うことで、成長の速度と幅を促進することが出来ます。

二つ目は、コーチ型コミュニケーションを実践できる看護師の育成です。

現場の看護師全てが、コーチングを実践できるようになると、かかわる全ての人々の目標達成が促進され、チームの仕事の質、患者を支える看護の質、患者が望む人生の質、そして自分自身のやりがいも向上して行きます。

それを実現するため、看護コーチには、現場で働く看護師にコーチ型コミュニケーションの方法を教えて、現場でコーチングを実践しながら実践力を培い広めていく役割があります。

医療・看護チームへの支援

医療・看護は、チームで実践します。個々の看護師がどんなに優秀であったとしても、チームが機能していなかったら、良い看護を提供することは出来ません。

医療・看護のチームは、プロフェッショナルの集団であり、プロとしての意識が高いからこそ意見の対立から衝突したり、争いを避けて無関心となることがあります。

看護コーチは、コーチ型リーダーシップを実践して質の高い医療・看護を提供するために、チームの中でお互いを尊重して対話を促し、共創・協働するチームでありつづけることを支援します。

プラスα(自分)の支援

看護を含めて人を支援するには、自分の体調が悪かったり、仕事に対して自信が持てなかったり、人間関係に悩んでいたりしていてはダメで、まず自分のファンデーション(自己基盤)を整えておく必要があります。

コーチングでは、このファンデーションを整えることを非常に重要視していて、国際コーチ連盟のコア・コンピテンシーにもそのことが定義されています。

看護コーチは、ファンデーションを整える方法を学ぶことにより、自分を支援できるようになります。